2006.10.1(日)曇りのち小雨。ふったりやんだり。入間川歩行はお休み。 午前中は、昨日分の写真紀行を書く。昼前に外出。会食。午後は昼寝。寝付けない。四時からは、数息200回。いちおう、日課は、すべてこなす。ただし、胸に違和感。四六時中、気になる。
2006.10.3(火)曇り、時々晴れ。入間川歩行はお休み。 旧安比奈線を、八瀬大橋から、南大塚方面へ歩くつもりいた。ところが、天気がよくない。空一面、薄い雲が広がっている。時々、弱い日差しが来るが、すぐに翳ってしまう。やる気がなくなった。 親水公園の南端へ行き、車の中でくつろぐ。このあと、何をしようか。所在のない時間。ま、いい。十時半、引き上げ。ユニクロなどへ、冬用の帽子や靴下を見に行く。風邪を引いたのか、頭が少し痛い。食欲もない。昼過ぎに戻り、昼寝。しかし、よく寝付けない。数息にも集中できなかった。
2006.10.5(木)一日中雨。ふったりやんだり。入間川歩行はお休み。 秋の長雨。天気のよくない日が続いている。こういうときは、あせらず、くさらず、ゆっくり文章でも書けばいい。 去年の今頃は、何をしていたのだろう。ふと想った。 2005.10.2(日)晴れ。入間川十二番、入間川大橋。九時から十二時半。A2の試写。 画像サイズ、最大の800万画素。画質、エクストラファイン。ビビットカラー。コントラスト、プラス1。今日は、これで撮ってみよう。 カメラのクセが、だいぶわかってきた。ファインダー画像が、そのまま記録されるわけではない。ズレがある。一段階オーバー気味に撮れば、適正露出となる。 新しいカメラが、少しずつ手になじんできた。
2006.10.7(土)晴れ。強風。浮雲が多い。台風の影響。入間川十番、八瀬大橋。旧安比奈線、大袋付近。十時半から、十一時半。 的場上の信号から入って、八瀬大橋を渡る。一つ目の信号を左折。細い道を、くねくね走る。少し広い農道に車を止め、あたりを歩く。ひろびろしていて、気持ちがいい。
このまま、線路上を歩く、という手もあるが、なんだか、億劫。移動。また、くねくね走り、一般道に出る。自動車修理工場のすぐ手前、かまわず、路上に車を止める。お目あての風景は、目の前だが、柵がある。用水沿いに、ぐるっと回り込んで、線路の上に出る。 崩れかけた、低い路線橋。その前で仁王立ち。遠くに、おっぱい山が見える。カメラを構えた。チェッ!とたんに、陽が翳りだす。空を見上げた。大きな浮雲。西のほうにも、大群が控えている。こりゃ、待っても駄目だ。引き上げ、引き上げ。
2006.10.8(日)晴れ。入間川十番、八瀬大橋。旧安比奈線、大袋付近、および、川下側の橋の上。十時から一時。 旧安比奈線、崩れかけた路線橋の前。昨日も、ほぼ同じ時刻に、ここにいた。今日は、スカッとした秋晴れ。ゆっくり写真を撮った。 下に、ちょろちょろした用水路がある。ふと想って、地図で確認した。赤間川とある。入間川から導入された用水路だ。この先で、名前を、新河岸川と変え、朝霞付近で、荒川と合流する。おみそれしました。 およそ、一メートル幅の用水路。だが、足場が悪い。飛び越える、というわけにもいなかい。見ると、路線橋沿いに、角材が渡してある。なるほど。錆びた橋につかまりながら、そろそろ渡った。渡り終わったあとに、何気なく、振り返った。手を触れたところだけ、黒光りしている。なるほど。二度、納得した。 廃線(正確には、休止線)とはいえ、線路上は、もちろん立ち入り禁止。しかし、頓着せずに、線路の間を歩いた。枕木などはなく、人の踏み固めた小道になっている。千載一遇。気合が入った。こんないい天気の日に、撮り損ねは、許されない。絶対、モノにしなければならない。小一時間、集中した。
限界。集中が切れた。用水沿いに歩いて、車に戻った。きもち、腹がすいた。酒まんじゅう。幟がひらひらしている。ふらふらっと、そばにあった饅頭屋に入った。 買ったものを、どこで食べようか。廃線脇の農道で、車を止めた。昨日、撮り損ねた、架線柱が見える。舌打ちしながら、まずは、お稲荷さんをほおばった。これが、意外にうまい。次に、酒まんじゅう。これも、甘さ控えめ、うまい。さらには、豆大福もかじった。 頑固親父が、毎朝、ぺったんぺったんついた豆大福。そんな説明書きが、店に張ってあった。塩豆のしょっぱさと、アンコの甘さが絶妙。水飴を入れた餅もいい。それが、一個、百五円。安い。なんだか、すごく得をしたような気分になった。 撮り損ねた架線柱のことは、すっかり忘れていた。さてと、もうひと頑張り。今度は、八瀬大橋。橋の上を歩いてみるか。元気が出たようだ。
2006.10.10(火)晴れ。入間川十番、八瀬大橋。旧安比奈線、および、産廃の丘。十時から十二時四十五分。 的場上から入って、八瀬大橋を渡る。渡り終えたところの信号を左折。少し行くと、左手に、川原へ通じるダンプ道がある。車止めをすり抜け、路肩に車を止める。草むらの中に小道があり、廃線まで続いている。 あまり好きなところではないが、いちおうは、順路だ。歩かないわけにはいかない。崩れかけた路線橋を見て、いまさっき通った、一般道を横切る。林の中に、鉄路が続いている。人気のない、陰気な場所だ。線路の上を、ぶらぶら歩き出す。脇で、ビルの新築工事をやっている。ガタガタ、うるさい。 かなり大きな建物だ。何ができるか知らないが、これで、少しは、雰囲気がよくなるかも知れない。林が切れる。立ち止まり、カメラを構える。半逆光。きれいには撮れないが、気になる景色だ。しかし、とたんに、やぶっ蚊!中指、眉間、頬、耳たぶ、耳の後。あっという間に、五つも食われた。痒くてたまらない。追い立てられるようにして、引き返した。
車に戻り、橋の下へ行った。平日だから、サッカーグランドは、静か。四駆もバイク野郎もいない。産廃の丘は、貸しきり状態。これさいわいと、隅から隅まで、くまなく歩き回った。ロケーションとしては、南西側がいい。八瀬大橋があり、その下にアーチ型の給水橋が見える。ただし、逆光。写真には撮れない。 てっぺんで、ひと休み。対岸を眺めた。眼下に、入間川。川の色が、エメラルドグリーン。めずらしいことだ。脇に、セイタカアワダチソウもある。秋の日差しを浴びながら、夢中になって撮った。
2006.10.12(木)晴れ。入間川十一番、給水橋。十二時から二時。 午前中は、雑事。出るのが、おそくなった。この時間帯なら、給水橋が撮れる。迷わず、安比奈親水公園へ向かった。 北側の駐車場に車を止め、まずは、お花畑を見てまわった。何回となく撮っているし、多少は、気に入った写真もある。とはいえ、いまだに、決定的な構図が見つからない。問題は、背景の赤い給水橋だ。 川と橋というものは、おおよそ、垂直に交わっている。だから、画面上に、橋の水平を確保するには、流れの真ん中に位置しなければならない。しかし、そんなことは不可能だ。いきおい、斜めにふって、撮ることになる。その際、橋脚の垂直は、必須。ところが、そうすると、今度は、画面の水平が保てない。 写真の格は、画面の水平、垂直できまる。風景写真では、なおさらだ。水平線が、一ミリ傾いているだけで、ほとんどの人間が、違和感を感じる。しかしながら、レンズの性質からして、ハジのほうは、どうしても、歪曲してしまう。広角ほど、この傾向が強い。したがって、なるべく、標準の50ミリくらいで撮ることにしている。それでも、隅っこに写りこんだ鉄塔などは、見事なほどに、ゆがんでいる。 給水橋の橋脚のうち、一本だけ、流れの真ん中にある。遠くからも、よく目立つ。手前に、お花畑を入れると、この白いコンクリの橋脚が、右上にみえる。こいつが曲者で、案の定、斜めになっている。それが、許せない。何とか、修正する。そうすると、今度は、画面全体が傾く。何十回となく、同じことを繰り返している。だが、依然として、問題は解決しない。 今日もまた、同じことで、無駄な努力をしている。カメラを、微妙に傾けながら、モニタニングを続けた。いいんじゃないの。ついには、自分に妥協して、適当なところで切り上げた。いや、飽きたというか、嫌になった。些細なことにこだわりすぎる。 護岸沿いに、ぶらぶら歩き出した。はるか彼方、八瀬大橋の上を、トラックが走っている。まだ、右目は、大丈夫だ。
2006.10.14(土)晴れ。入間川歩行はお休み。 大宮へ買い物。途中、川越市内が通行止め。川越祭りをやっている。迂回に迂回を重ね、やっとのことでバイパスに出る。小一時間かかってしまった。 川越祭り。初めて見たのは、高校生の頃。学校帰りに、大きな山車を見た。鳶が、てっぺんに乗り、電線をよけながら、市内を練り歩く。古めかしい人形に、歴史を感じた。 祭りといえば、神輿。山車は、女子供が引っ張るもの。東京育ちだから、川越の山車が、ものめずらしい。いや、えらく立派に見えた。 その後、川越祭りは、観光化され、年々規模が大きくなった。かび臭い、時代がかった雰囲気がなくなり、垢抜けた。健全で、開放的になったが、その分、風土や伝統、そこに生きる、人間の気概というものが失われた。 写真を始めた頃に、何回か、撮りに行ったことがある。頭にあったのは、四十年前の感動だが、そんなものはどこにもない。以来、川越祭りには、行っていない。
2006.10.18(水)晴れ。入間川十番、八瀬大橋。豊田新田付近。十時から十二時。 関越道脇の、刈り取りの終わった農耕地。ポンプ小屋が点在している。 写真を始めた頃、好んで、ダルマポンプを撮った。正式には、なんと呼ぶのだろう。手漕ぎポンプか?それはともかく、形が面白いし、懐かしい。 生まれ育ったのは、板橋の前野町。あるとき、井戸掘り職人達がやってきた。威勢がいい。あっという間に、三軒長屋の裏手に、真新しい井戸が出来上がった。 柄を持ち上げて、ぐいっと押す。キラキラと光った水が、あふれ出た。わけもなく、おかしくて、げらげら笑った。今度は、姉に汲んでもらい、掌に水を溜め、何回も飲んだ。しまいには、飲みきれず、口から水鉄砲のように噴出した。辺りをびしょびしょにして、遊びほうけた。水の味は、覚えていないが、冷たさが心地よかった。 入間川流域の農作地は、土地改良が、ほぼ終了している。ただただ、だだっぴろい田んぼもいいが、ポンプ小屋が点在している風景もいい。 柔らかい畦道をたどりながら、崩れかけたトタン小屋を、見てまわる。いったい、何を撮っているのか?不審者に間違えられそうだから、いつもは、休みの日に、アマチュアカメラマンを装って、撮りに行くことにしている。しかし、今日は、平日。なに、かまうものか。絶好の写真日和だ。
2006.10.19(木)晴れ。入間川十番、八瀬大橋。右岸、池辺地区。十時半から十二時。 きのう撮り残した、ポンプ小屋へ向かう途中だ。ふと、産廃無法地帯が目に入った。モトクロ場もあり、休みの日は、かなり騒々しい。それが、なんとなく、シーンと静まり返っている。 撮るべき景色はないし、いつ行っても、不穏な感じがする。今回は、パスするつもりでいたが、いちおうは順路だ。手抜きすることに、ひっかかっていたのだろう、ハンドルを左に切った。 広場へと入った。ほこりぽい道が、タコの足のように何本も出ている。一番右を行く。関越道の下まで続いている。走りながら、おもった。道が広くなっている。前来たときは、竹やぶの中を走るような感じだった。 少し行くと、右手にゲートボール場。その先に、鉄板で囲われた産廃場。なるほど。トラックを通すために、道を広げたわけだ。しかし、ここは、以前、産廃の野焼きをやって、問題になったところだ。性懲りもなく、また業者が入ってきた。 産廃場を過ぎると、急に、道が狭くなる。両脇は竹やぶ。そろそろ行くと、藪の中に、ビニールシートの掘っ立て小屋。橋の脇にいたホームレスが、こっちに移ったようだ。 行き止まり。右岸、関越道の下。少し明るくなったような気がする。犬もいないし、不穏な感じはしない。それもこれも、ホームレスの掘っ立て小屋がなくなったからだ。そう思いながら、車の外に出た。 水際が、えぐられている。近づくと危険。少しはなれて、崖っぷちを歩いた。木立の中に日が差し込んでいる。目を落とすと、小屋の残骸が、地面に散らばっている。立ち止まった。何年もの間、ここは、ホームレスによって占拠されていた。対岸をゆっくり眺めた。 ホームレス達は、行政によって、強制退去させられたのではない。崖が崩れてきて、小屋が危なくなったのだ。 いま来た道を戻った。前から、川沿いの藪の中に、家庭菜園のようなものがあった。気にも留めなかったが、ふと、得心した。ホームレスの菜園だ。入間川で、自給自足の生活をしている。
タコ足広場に戻った。右から二番目は、行き止まり。産廃業者が、道にバリケートを作っている。それじゃ、ということで、三番目の道を行く。たしか、モトクロ場の横に出るはずだ。 道に、軽トラがとまっている。みると、耕作地で、じっさまが野良仕事をしている。そのすこし先に、真っ赤なボルボ。じつに場違いな感じがする。のび上がってみると、茂みが整地され、シャベルカーが一台とまっている。新しい産廃場を作っているようでもある。ボルボは、工事人の車なのか? おっと、行き止まり。容易に、回転できない。勘違いしたな。周りはゴミだらけで、荒廃している。自分が、不法投棄をしに来たようで、うしろめたい。とはいえ、せっかくだ。車から出た。 目の前は河原。崖の途中に、コンクリの踊り場。ご丁寧に、手すりまでついている。下には、大きな下水溝があり、真っ黒な水が、ちょろちょろ流れている。あたりに人家はない。人の出入りのない、荒れ果てた林の中だ。まるで、意味がわからない。 バックで戻った。このままの状態で、細い道を行くのか。うんざりする。軽トラの手前で、場所を見つけ、なんとか回転。なんで、来たのか。自分のやっていることも、ほとんど意味がわからない。
2006.10.22(日)晴れ。入間川十番、八瀬大橋。豊田新田付近。十時半から十二時半。 関越道にかかる路線橋、豊田本橋の下に車を止める。付近を歩く。撮り残したポンプ小屋などを見てまわる。
青空。時として、言いようのない悲しみが押し寄せてくる。
2006.10.26(木)晴れ。入間川十番、八瀬大橋。大袋、池辺付近。九時から十二時。 的場上から、八瀬大橋を渡り、左折。少し行って、T字路を右折。16号へ抜ける裏道だ。道沿い右手は、狭い農地。崩れかけたポンプ小屋などもある。道に、車がとめられないので、いつも素通りしていた。 体調も良くない。気分も最低。長時間の撮影は無理だ。ちょうどいい。コイン洗車場脇に、かまわず車を止めた。 道沿いに歩き出した。狭い道を、車が頻繁に通る。おちおち撮っていられない。とはいえ、せっかくだ。あぜ道に足を踏み入れた。
気分が、少し晴れた。ついでだ。関越脇の、池辺の耕作地も見てみよう。
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