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 Photo essay<入間川写真紀行>

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2006.5.2(火)小雨。ふったりやんだり。入間川歩行はお休み。

午前中は、写真紀行の制作。午後は、気分転換に買い物。





2006.5.4(木)晴れ。あつい。夏日。入間川一番、上江橋。八時半から十二時。

橋際まで、一気に走る。教習所へ通じる道に車を止める。橋の上、川カミ側の歩道を歩く。ゴルフ場の鉄塔まで行く。尿意。脇を、車がひっきりなしに走っている。立ちションをするわけにもいかず、急いで戻る。





暑い中、一時間以上外にいた。少々疲れた。移動。川原へおりていく。道は、すぐに行き止まり。水門の横。釣りをしているのだろう、車がたくさんとまっている。外に出た。どろんとした色の入間川。プレジャーボートが行ったり来たり。乗っているのは、若いやつばかりだ。

ひさしぶりに、気分がゆったりしている。針金ネットの護岸にしゃがみこむ。川の淵が、ところどころ、黄色に染まっている。あんなところにも、菜の花。耳を澄ます。何も聞こえない。晴れてはいるが、全体的に、ぼぉ〜としている。立ち上がる。向き直ると、なじみの電波塔が、土手の上にちょこんと出ていた。





移動。引き上げようとおもったが、ついでだ、荒川の鉄橋まで行くことにする。舗装された土手を走る。踏み切りのすぐ手前、道路際が少し広くなっている。これさいわいと、車を止める。形のいい鉄橋だが、まともに撮れたためしがない。今日は、じっくり眺めてみよう。






2006.5.6(土)晴れ。あつい。入間川歩行、番外、小畔川及び芳野台の土手。八時半から十一時半。

日本の河川を、規模や長さで大別すると、さしずめ、荒川は大、入間川は中、小畔川は小、ということになる。自分にとって、荒川は大きすぎる。いっぽう、小畔川では、小さすぎて物足りない。入間川くらいがちょうどいい。とはいえ、小畔川に関しては、裏に流れている小川、といったほどの親近感がある。気が向いたときには、少し遠回りだが、舗装された狭い土手を、車でゆるゆると流す。

小畔川は入間川の支流。伊勢原付近で、南北に分かれる。北小畔川は、宮沢湖が水源。南小畔川は、日高のサイボクの裏を流れ、そのあとは、飯能ゴルフ場あたりで、なんとなく途絶えてしまう。もっとも、現地を歩いたことはない。地図を見ているだけだ。

裏の小川が、いったいどこまで続いているのか。この目で確かめたいとおもっている。とはいえ、なんとなく億劫で、のびのびなっている。車で走れる土手もなく、並行する道もない。農地と宅地が入り混じった、雑然とした空間を、細々と流れる、いわば、どぶ川のようなものだ。むろん、景観は望めない。と考えると、ついつい足が遠のいてしまうのだ。

八幡橋から小坂橋まで、距離にしたら、ほんの二、三キロ。ほとんど人影がない。うららかな流れ。





移動。天気がいいので、芳野台の水深計と監視塔を見に行く。築堤工事のため、立ち入り禁止だが、今日は日曜日、工事は休みだろう。歩いていくのは、ちょっとかったるいが、ま、運動だ。ぶらぶら行こう。






2006.5.7(日)小雨。ふったりやんだり。入間川歩行はお休み。

健康のため、血圧を下げるために、思い立った。少し歩こう。ウォーキングスタイルを整え、久しぶりに親水公園へ行く。ありゃ〜、年寄りが大勢いる。芝ゴルフの大会のようだ。まあ、いい。南側の広場へ行く。

ここもずいぶんかわった。きれいに整地され、ちゃんとした駐車場ができた。奥まったところにあった木立も伐採され、廃車同様、車上生活者も一掃された。それに、背後に聳え立っていた産廃の丘が、かなり低くなった。不穏な気配は、完全に払拭され、健康的な空間に生まれ変わった。この方が、きれいでいい。

護岸の上を、南側から北側まで、行って帰ってくる。往復で三十分、ちょうどいい運動だ。少し汗ばんだ。さてと、あとは、車の中で、想念草子を書くつもりだった。しかし、すぐそばの芝生で、親子がアップをしている。野球の格好をしているから、これから、練習するのかもしれない。なんとなく、気がそがれ、移動。県道の吉野家で、はやめの昼食。ぶた丼、並、汁たく、¥330。たいしてうまくもないが、安いのと、早いのがとりえだ。

移動。関越橋の下へ行った。助手席のシートをリクライニングし、パソコンを開く態勢を整えた。だが、テクラを開いたとたん、急に眠くなった。まずは、昼寝だな。寝苦しかったが、二時間ほど、ウトウトした。





2005.5.9(火)くもり。入間川歩行はお休み。

体調不良。昨日から、からだがしんどい。必要最低限のことをして、あとは、ずうっと寝ていた。風邪薬が効いたのか、今日の午後になり、多少よくなった。

おとといの日曜日、久しぶりのウォーキングに車の中での昼寝。その際、汗をかき、少し寒いおもいをした。おそらくは、そのせいだ。風邪を引いた。からだの芯に、熱があり、起きているのがつらい。しょうがない。薬を飲んで、汗を出した。熱が、外に出た。気分は持ち直したが、からだが、まだふらついている。それもそのはず、この二日間、ロクなものを食べていない。

それにしても、あれしきのことで、風邪を引くものなのか。体力がなくなった証拠だ。





2006.5.11(木)くもり。入間川歩行はお休み。

風邪は、だいぶよくなった。とはいえ、体調は万全ではない。胃が、ときどき、きゅうっと痛くなる。軽い胃痙攣を起こしている。ま、それでも、寝込むほどではない。食事も、通常通りだ。

午前中は、写真紀行の制作。午後は、買い物と耳鼻科診察。

季節の変わり目なのか、ここのところ、曇りの日が多い。そのせいで、入間川へ出る機会が、めっきり減っている。もっとも、陽射しのない日に、風景は撮れない。晴れの日を待つしかない。じたばたせずに、ゆっくり文章を書けばいい。





2006.5.13(土)雨。肌寒い。入間川歩行はお休み。

九時五十分、親水公園南端。夢の話は、本来、想念草子に書くべきものだが、まぁいい、忘れないうちに、記述しておこう。

工場の奥まった所。行き止まり。進退きわまる。と、いきなり、身体が宙に浮く。一気に、建物の屋根あたりまで上昇する。下を見下ろしながら、空中を移動する。とはいえ、身体を、うまくコントロールできない。工場の敷地外に出る。下は、大きな道路。長い、コンクリの階段。途中の踊り場。ベンチに、若い女性が座っている。なんとなく気になる。空中から見ている。女性が、階段を昇り出す。後を追う。昇りきったところに、男たちがいる。周りを取り囲まれている。心配になり、下へ降りる。みな、アジア系の悪そうなやつばかり。様子をうかがう。どうやら、知り合いのようだ。危険だな。かかわらない事にする。

また、空中を移動し始める。広い道路の上。トラックの運転手が、怪訝な表情をしている。こちらは、得意げ。足を前に大きく踏み出す。なるほど。上昇するこつをつかむ。ますます、気分がいい。

街中に入る。買い物客が、こちらを、不思議そうに眺めている。ショッピング街。若い女性が、アーケードの屋根まで跳ねている。特異な能力を持った、仲間だ。まだ、身体の使い方を知らないようだ。親しげに話し掛ける。仕事があるので、あと三十分、トヨペットで待っててほしい。店を指差す。喫茶店のようだが、名前が、ちょっと変だ。時計を見る。七時半まで待つとなると、遅刻だ。そうおもいながら、店に近づく。店内が、黒い。なんだか、よく見えない。

空中遊泳の夢は、前にも、何回か見ている。人類にとっては、かなり普遍的な夢らしい。全能感の現れ、と解釈されている。

昨晩、テレビで「もののけ姫」を見た。特異な能力を持った主人公達に、一瞬、感情移入をした。そのことが、夢の材料になった。論理で制したはずの願望が、夢の中で再燃し、自分もまた、超人になった。

論理と非論理、合理と不合理。夢と現実との間を、行ったり来たりしている。夢も、自分にとっては、人生のうちだ。





2006.5.14(日)曇りのち晴れ。肌寒い。入間川歩行はお休み。

九時、安比奈親水公園南端。車の中で、くつろぐ。

ふとおもった。車を止める場所は、何ヶ所かある。暑い日、陽射しを避けるには関越橋の下。ゆっくり物を書くには、雁見橋付近の護岸、川越橋の護岸、親水公園、柏原の護岸、あとは、小畔川、鯨井の土手。みな、景色がよく、静かな所だ。ただし、例外がある。日祭日の親水公園。いろいろな催しがあり、車と人でごった返していることが多い。

今朝は、少年野球の大会をやっている。すぐそばの芝生で、ヘルメット姿の少年たちが、試合前の練習に余念がない。うるさく感じられ、いつもなら、すぐに引き上げるところだが、今日はなぜか、そういう気になれない。

人の姿が、わずらわしい。誰もいない所へばかり行きたがる。曇天、荒れた河川敷耕作地には、人っ子一人いない。小雨降る、冬枯れた入間川には、烏だけだ。孤独。川原は、うってつけの場所だ。しかし、じきに、人恋しくなる。居ても立ってもいられない。さりとて、人に会うのは億劫、気楽に立ち寄る場所もない。進退極まり、悪所へ顔を出す。結果、おお負け。身も蓋もない気分。一日を棒にふる。そんなこんなの繰り返しだった。

少し暑くなった。車のドアを開けっ放しにしている。涼しい風。野球少年たちの声が聞こえる。目の前の自転車道を、人が行ったり来たりしている。向こうの芝生では、若者たちがフットサルの練習試合。茂みからは、小鳥達のさえずりが聞こえる。

生き物や人間が近くにいる。そのほうが、気持ちが落ち着く。あんた、少しかわったな。





2006.5.16(火)くもり。入間川歩行はお休み。

午前中は所在無く過ごす。メールチェック、名刺制作、スーパーへ買い物。午後は、眼科診察。早めの夕食を、駅前の餃子屋ですませ、五時過ぎに戻る。眠い。昼寝。八時頃起きる。テレビ。十一時過ぎに寝る。

これといって、書くことが思いつかない。





2006.5.18(木)朝から雨。入間川歩行はお休み。

九時、親水公園南端。雨が降っている。ウォーキングは見合わせ、車の中でテクラを開く。

ここのところ、天気がよくない。入間川歩行も、開店休業の状態。最後に写真を撮ったのは、いつだったのだろう。それすら思い出せない。

所在無い。昨日は、誘惑に駆られた。パチンコだ。メーカーのホームページを開いた。「大海物語」がリニューアルされ、「スーパー海物語」となった。新しいリーチアクションなどを見る。レビューだから、泡予告のノーマルで、カニやタコの絵柄が三つ、いとも簡単にそろう。確率は百パーセント。実際には、ありえないことだ。と、大負けしたときの気分がよみがえってきた。ああ、いやだ、いやだ。とにもかくにも、パチンコだけは、もう絶対にやらない。人生が、台無しになってしまう。誘惑を、理性で制した。

夜、テレビを見て、退屈を紛らわせる。とはいえ、くだらない番組ばかり。チャンネルを頻繁に変える。そのうち、思い立つ。「叛通信」のグーグル検索サイトを開く。なにか、動きはあるのか?昔の芝居仲間のことが、多少気になる。

この前は、見出しを、ざっとみただけだ。目は通さなかった。なんとなく、わだかまりがある。まあ、いい。ためしに、*のブログでものぞいてみるか。画面の文字を目で追った。書き流している感じだな。さらに、おもった。この文章は、なんのために、誰に向けて書かれたものなのか。彼岸から、此岸の出来事を眺めているような気がした。

自分が死んだあと、世界は、どうなっているのだろう。死体は火葬場で焼かれる。主を失った生活用品や書籍は、焼却場へ持ち込まれ、これまた、あっという間に煙になってしまう。それでも、近親者に、思い出が残る。いいや、気休めだ。記憶などというものは、あっという間に色あせてしまう。自分が、この世にいたことなど、だれも覚えていない。それでいい。

死後、世界は、微動もせずに、存立し続ける。悔しいけれど、そう、願いたいものだ。死後、世界は消滅する、と考えるよりは、少しだけ、救われた気分になる。

第三次世界大戦。核戦争で、地球上の生物が、ほとんどが死に絶える。自分の生きている間に、そんなことが起こらないことを、祈るばかりだ。身勝手なことを、言うなよ。君は、ほんとうに、転向したのか。久しぶりに、モロイの声だ。

雨がやんだ。親水公園の護岸を、南端から北端まで歩く。往復で40分。少し汗ばんだ。いい運動になった。十一時四十五分、引き上げ。アトリエに戻り、昼食。ラーメンに野菜を入れて食べる。そのあとは、写真紀行の仕上げ。昼寝。これで、今日も日が暮れる。正直言って、幸せなのか、不幸せなのか、よくわからない。





2006.5.20(土)曇り時々晴れ。入間川歩行はお休み。

入間大橋の下に車を止め、付近を歩く。そう決めて、いつもの時間にアトリエを出た。ところが、どうにも気乗りしない。そればかりか、眠い。まずは昼寝。右岸、落合橋の下で、小一時間ほど、うたた寝。十時過ぎに起きる。頭がすっきりした。おりしも、薄日がさしている。入間川歩行を開始。と、言いたいところだが、依然として、やる気が出ない。引き上げよう。





2006.5.21(日)晴れ。さわやか。久しぶりの青空。入間川二番、入間大橋。九時から十二時。

天気はいいが、気分はさえない。ま、それでも、入間大橋の下まで、一気に走った。左岸の土手下、川カミへ、工事用の道路が続いている。行ってみるか。しかし、すぐに行き止まり。車から降り、あたりをぶらっと歩く。川が、濁っている。遠くに、芳野台の煙突、出丸橋が見える。初めて目にする景色だが、気持ちが動かない。

戻る。橋の下をくぐる。運動公園では、オジさんたちのソフトボール大会。うじゃうじゃいる。川沿いの、どろどろの悪路を、ゆっくり走る。行き止まり。外に出る。土手に上がる。自転車道を、入間大橋のほうへ、少し歩く。写真に撮るような景色は、どこにもない。

移動。左岸の土手下の道へ出る。モトクロス場の脇、産廃の小山に、シャベルカー。何回か、撮っている。おりしも、青空に、真一文字の雲。これを逃す手はない。粘る。撮れたような気がしたが、錯覚。撮り損ねていた。

移動。ゴルフ場脇の道を行く。ここも悪路。車が泥だらけ。行き止まり。上江橋の横、高い土手の上に車を止める。いちおう、外に出る。疲れたのだろうか、全然やる気がない。すぐに引き上げ。





いい天気だというのに、まともな写真が、ほとんどなかった。写真への集中力が、完全に切れている。





2006.5.23(火)曇り。入間川歩行はお休み。

八時半、アトリエを出る。床屋。親水公園南端で、車のワックス掛け。十一時半、テクラを開く。とりたてて、書くことがない。うとうとする。

暑いのか、寒いのか、よくわからない。不快。時計を見ると、十二時十五分。腹が減った。まぁいい。さきに、ウォーキングをしよう。公園内の護岸を、ゆっくり往復。少し汗ばんだ。

四国遍路を歩くために、ここで体を鍛えた。はじめは、四キロのジョギング。すぐに、二十三分ほどで、走れるようになった。とはいえ、じきに足をいため、ウォーキングに変更。それでも、アキレス腱が、たびたび腫れた。

説経節の発声練習もした。大声を出し、喉を痛めた。人知れず、試演を繰り返したのも、ここの芝生の上だ。

さまざまなことが、脳裏をよぎる。ほんとうにあったことなのだろうか。確信が、ふと揺らぐ。モノに、とりつかれていたのかもしれない。

夜になった。急に、身体の調子がおかしくなった。熱があるわけでもないのに、起きているのが、しんどい。すぐに、横になった。夜中の十二時。あまりの不快さに、目がさめた。間違いなく、熱が、身体にこもっている。迷わず、風邪薬を飲んだ。

少し汗が出た。また、うとうとした。しかし、何度もトイレに起きた。車の中での、うたた寝、それにウォーキング。身体を冷やした。完全に、風邪を引いたな。

一月ほど前にも、同じようなことがあった。それにしても、あれしきのことで、風邪を引くものなのか。体力がない。身体が弱くなっている。

そのあとも、いやな夢を、見続けた。上着の袖の内側、黒い虫がうじゃうじゃいる。悲鳴をあげている。





2006.5.25(木)晴れ。さわやか。久しぶりの青空。入間川一番、上江橋左岸。九時から十一時半。

寄り道。川越橋際から、西側の景色を撮る。まさに、此岸からの風景だ。





上江橋を渡る。回り込んで、橋の下へ行こうとしたが、車止め。前に来たときには、なかったはずだ。しょうがない。回転。少し16号を走る。川越線のガードをくぐり、すぐに右折。住宅の間、細い道をくねくね行く。行き止まり。土手だ。外に出る。登る。自転車道になっている。ここは、荒川左岸、西遊馬地区。

土手下には、野球場や運動場。かなり広い。車で、降りていけるのか、辺りを見まわす。と、黒っぽい乗用車が、向こうのほうから走ってくる。目で追う。土手を、斜めに登り、こちら側へ向かってくる。なるほど、行けるな。

見当をつけ、走り出す。あった。土手に、斜めの小道。あがって、おりる。運動場の周りを走る。川越線の架線沿いに、小道。少し行くと、鉄橋の下。行き止まりかな。いや、ゴルフ場に沿って、道が続いている。おそらく、上江橋の下へ出るはずだ。そこに、旧上江橋の遺構がある。





工事をやっていた。橋に沿って、大きな用水路ができそうだ。待てよ、となると、取り壊されるかもしれない。愛想のない、無骨な橋脚だが、もう二度とみることができないかもしれない。

撮り出した。是が非でも撮っておきたい。モニタニングを繰り返しながら、粘った。集中した。橋脚を、風景の中に定着させたい。この目に焼き付けておきたい。愛着を感じた。

入間川一番も、今日で終わり。また、入間川二十六番、飯能河原に戻る。歩行を、続行せよ。モロイの声だ。





2006.5.27(土)小雨。降ったり止んだり。入間川歩行はお休み。

朝、八時半にアトリエを出る。まっすぐ、親水公園南端へ行く。車の中で、写真紀行を書く。一時間ほど書き、あとは、気分転換に散歩。小雨がぱらついている。傘をさす。それでも、衣服がぬれる。早々に引き上げ。

午後は、おきまりの昼寝。起きたのが、三時半。気持ちを取り直し、写真紀行を仕上げる。

入間川一番も、やっと終わった。今回の逆打ちは、昨年の七月から始まっている。およそ、十一ヶ月。ずいぶんかかったものだ。

昨年の秋は、天候不順だった。それをいいことに、パチンコ屋へ入り浸っていた。年が明け、ジャンブル熱は下がったが、今度は、衣服の衝動買いが始まった。ようするに、歩行に、集中していない。時間がかかるはずだ。

ほかにも、寄り道をしている。入間川流域の農地、隣接している小畔川、越辺川、都幾川、荒川などの河川敷。自分にとっては、未知の場所へ、足を踏み入れた。こっちの寄り道は、大いに評価できる。前向きな姿勢の現れだ。

入間川流域にまで、行動範囲を広げた。いたるところに、目の覚めるような景色があった。それを、写真に撮る。ウデが、あがったのかもしれない、満足のいくものが、多少なりとも撮れるようになった。

今回もまた、しぶとく、どん底から、這い上がった。未曾有の肉体的、精神的危機を乗り越え、心身ともに、健康を取り戻しつつある。





2006.5.28(日)朝から雨。時々激しく降る。肌寒い。入間川歩行はお休み。

十時二十分、赤い給水橋の下。川が増水している。ツバメが、濁った水流の上を飛び回っている。

朝、起きたときから、雨が降っていた。外には出ないで、アトリエで、写真紀行を書こう。朝食をすませ、コーヒーを飲み、メールチェックも終えた。あとは、写真紀行のフォルダを開き、昨日分の原稿を書くだけだ。

ところが、どうにも気乗りしない。部屋にいるのが、気詰まり。気分転換。出かけよう。親水公園のいつもの場所で、テクラを開けば、書くことが思い浮かぶはずだ。

広い公園内に、人影はない。みると、グランド脇の小川が、増水している。南端の行き止まり、いつもの場所が、やけに寂しい。あんな所に、ぽつんと一台、車が止まっている。白のジムニー、自分の車だ。ちょっと先の時間を想った。寂しすぎるな。

回転。親水公園をあとにした。といっても、さしあたり、行く所もない。ハンドルを握りながら考えた。このまま帰るわけにもいかないだろう。パチンコ。さすがに、これは、すぐに打ち消した。やはり、車の中で、写真紀行を書くべきだ。ふとおもいついて、右折。給水橋の下へ向かった。

外が、少し明るくなった。雨も、ほとんど止んだ。少し歩いてみよう。そのつもりで、ウインドブレーカーを持ってきた。シワにならないように、ハンガーにかけ、窓際のフックにかけてある。ネットショップで買った、デサントの高機能製品。アウトレット価格で、六千円。安くて、いいものを手に入れた。

歩きながら、考えるつもりだったことが、どうしても、思い出せない。あたりの景色に目をやりながら、ただただ歩く。頭は、からっぽ。何の不安もない。小鳥達の声が、聞こえるだけだ。

あっという間に、護岸を往復。少し汗ばんだ。いい運動になった。





2006.5.30(火)曇り時々晴れ。さわやか。入間川二十六番、飯能河原。九時から十二時。

一気に、飯能市民会館の駐車場まで走る。敷地内のアトムを撮る。





リックを背負い、飯能河原へ向かう。河原が、こざっぱりしている。水もきれいだ。車の乗り入れを禁止したことが、効を奏している。遊歩道をゆっくり歩く。いつもなら、徒歩橋を渡り、向かいの割岩橋の上まで行く。だが、今日は、気が乗らない。

橋の上からは、巾着型の河原全体が見下ろせる。ただし、さほどいい眺めではない。しかも、逆光気味。何回撮っても、駄目だ。あそこまで、歩いていくのが、かったるい。

戻った。駐車場を出る。坂を下り、信号を右折。川沿いの道を、少し走る。すぐに、T字路の信号。それを、左折。岩根橋を渡る。渡り終えたら、また左折。ぐるっと戻る形で、山道を上り下りする。すると、矢久橋のたもとに出る。

橋際の、ちょっとした空間に車を止める。テーブルとベンチ、それに案内板のあるところだ。橋を歩きながら、川カミを撮る。どうも駄目だ。絵にならない。今度は、橋の脇から、堰へ向かって、少し入る。雑木の間から、斜めに並んだ橋脚を撮る。それから、対岸の崖の上に、民家が並んでいる。それも撮る。しかし、どれもこれも、モノにはならない。まあ、いい。全然気合が入らない。

少し疲れた。でも、ついでだ。飯能大橋の上にあがる。明かりの具合からして、ねらうのは、川カミの景色。目の下には、今さっき歩いた、矢久橋がある。これも、おなじみの構図だが、やはりよくない。と、ぴぃ〜という音。ツバメの鳴き声だ。欄干から身を乗り出し、下を見る。何羽も飛び交っている。目で追うが、早くて、焦点が定まらない。

ツバメ返し。佐々木小次郎、か。なるほど、あのツバメを、刀で切ることは、不可能にちかい。剣の達人の比喩だが、だれが考えたのか、よくできた話だ。






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