此岸からの風景
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 Photo essay<入間川写真紀行>

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2013

2007.5.3(木)晴れ。夏日、暑い。入間川歩行、番外、荒川右岸。東野から東部。九時半から十二時。

太郎右衛門橋際から、河川敷へ入る。川に近いデコボコの農道を遡上。突き当たりに神社がある。

阿津満(おつま)稲荷大明神。案内板などを読み、ゆっくりする。裏手には、市野川と荒川の合流点。見に行く。釣り人が何人かいる。

移動。舗装された道を、うねうね行く。石仏の脇を通り過ぎ、小さな橋をふたつ渡る。道端に、石碑。横に、安政と刻んである。

江戸の末期だ。ざっと数えても、百五十年以上前。そんなに古いようには見えない。今一度、正面に回った。表の文字をじっと見る。上の二字は、やはり、読めない。下の三字は、釈、世、音、だとおもうが、これとて確信はない。

幕末に、安政の大獄という事件があり、大老の井伊直弼が、桜田門外で暗殺された。本当にあったことなのだろうか。ファインダーをのぞきながら、想いが流れた。夢のまた夢。





2007.5.4(金)晴れ。夏日、暑い。入間川歩行、番外、荒川右岸。東野から東部。十時から十二時。

太郎右衛門橋から、土手道を遡上。建設中の橋脚などを眺める。地図で確認したところ、圏央道らしい。

土手下に、大銀杏がある。寄り添う形で石仏が一体。近寄ってみると、太い幹の根本に、黒御影の墓誌が立てかけある。長い戒名の最後は大姉。享年95歳。

立派な墓誌が、なぜ、こんなことになっているのか。おそらくは、工事の影響だろう。そういえば、大銀杏の枝が、裁定されている。重機の通行の邪魔になったのかもしれない。

土手下の大銀杏。胴回りからして、樹齢は二百年以上。昔からここにあったとは思えないが、今回も伐採をまぬがれた。

百年後、いま建設中の高速道路も朽ち果てる。いま生きている人間も、すべて死に絶える。そうして、大銀杏だけが、生き残る。気持ちが静まる。





2007.5.5(土)晴れ。三日続けて夏日、暑い。入間川歩行、番外、荒川右岸。東野、東部。九時半から十二時。

太郎右衛門橋から、土手道に入る。そのまま遡上。東部付近で、自転車道となり、進入禁止。土手下に下りる。ゲタを履いたような鉄塔。増水時の対策だろう。畦道に入りこみ、集中して撮る。

移動。舗装路を、道なりに走る。市野川の霞堤。農地の真ん中で途切れている。農道に回りこみ、堤に上がる。そのまま、川カミへ流す。見晴らしがいい。清掃センターの前で、道が二股。右へ行く。草深い土手道。荒井橋際に出た。

戻りは、河川敷耕作地の中を行く。流れに近い、こんもりした所に、格納庫があった。へリコプターが、一機止まっている。農薬散布用かとおもったら、成田へ直行、との案内板。キツネにつままれたような感じ。はたして、利用する人がいるのだろうか。

一面の麦畑。穂がつき始めている。近いうちに、麦秋。一面、茶色になる。





2007.5.8(火)晴れ。夏日、暑い。入間川歩行、番外、荒川右岸。市野川を遡上。松永橋まで行く。十時から十一時半。

左目不調。気合が入らない。

荒川自転車道から、水深計を撮る。麦畑、さらには対岸の環境センターを背景に入れる。明かりが、トップ。しかも、逆光気味。案の定、写真にならなかった。またしてもボーズ。





2007.5.9(水)晴れ。今日も夏日、暑い。入間川歩行、番外、荒川右岸。東部付近。九時半から十一時半。

市野川を遡上。荒川自転車道を上り下りして、松永橋の正面に出る。土手の上。昨日撮り損ねた構図。手前に水深計、麦畑があり、背景が環境センターの煙突。

かなり集中したが、やはり駄目。構図が平板。土手の水平も確保できない。それに、明かりがトップ、しかも逆光気味。きれいに撮れないはずがない。むりむり、諦めた。

移動。そのまま土手を走る。すぐに県道ぶつかる。東松山桶川線。そこからは、桜堤の自転車道。右折し、荒井橋へ向かう。

橋際から川原へ下りる。右へ行っても、左へ行っても、進入禁止。しょうがない。車止めの前で、記念撮影。荒川右岸、それにしてもだだっ広い。





2007.5.11(金)晴れ。北西の強風。夏日が一転、寒い。入間川歩行、番外、荒川右岸。荒井橋から、土手道を遡上。九時半から十一時半。

太郎右衛門橋から、河川敷へ入る。寄り道しながら、荒井橋へ向かう。

橋の下をくぐり抜ける。砂利の土手道に上がる。一面の麦畑。強風にあおられ、激しく波打っている。車の中から、ゆっくり眺める。

土手道を流す。田園風景が広がっている。田舎だな。じきに、桜堤自転車道とぶつかる。車は進入禁止。外に出る。前方に橋。土手下には、ガスタンク。どのあたりなのか、見当もつかない。

後で調べたら、吉見町大和田付近。橋は、東松山鴻巣線に架かる御成橋。完全に、テリトリーの外だ。





2007.5.12(土)晴れ。入間川歩行、番外、荒川右岸。高尾橋を渡り、左岸へ行く。九時から十二時。

太郎右衛門橋から、河川敷へ入る。東部あたりで市野川をわたり、荒川自転車道を上り下りする。

土手下に釣堀や池がある。鳥羽井沼自然公園。車を止め、土地改良竣工記念碑などを見る。移動。そのまま、荒井橋へ向かう。

橋際から右岸土手を遡上。少し走り、河川敷へ下りる。道なりに行くと、小さな橋。車を降り、あたりを探索。

徒歩で、橋を渡る。立ち止まり、川の流れを見る。幅は狭いが、深そうだ。渡りきった所に案内板。木橋は、高尾橋。北本市とある。

荒川左岸。舗装路が、御成橋の方へ続いている。彼方に、鯉幟がたくさん見える。なにか、催しをやっているようだ。行ってみようか。





2007.5.14(月)晴れ。日差しが強い。暑い。入間川歩行、番外、荒川右岸。左岸、原馬室のなでしこ畑、滝馬室のポピー畑。九時から十二時。

太郎右衛門橋から河川敷へ入る。舗装路にそって、麦畑を縦断。荒井橋際に出る。土手沿いの一般道を走り、共同墓地の横から、土手に上がる。

土手を下り、高尾橋を渡る。渡ったら、すぐの十字路を左折。少し行くと、なでしこ畑が広がっている。なぜか、鯉幟がたっている。用水沿いにもたくさん並んでいる。

車を架設の駐車場へ入れ、外に出る。なでしこ畑をゆっくり眺める。用水路際まで行き、鯉幟を見上げる。色が褪めている。なるほど、納屋で眠っていたものを、皆が持ち寄ったわけだ。

移動。ポピー畑のほうへ向かった。人のいるほうへは行かないで、川沿いの舗装路を流す。適当なところに車を止め、あたりを散策。目の前には御成橋。手前にポピー畑を入れて記念撮影。とはいえ、なんだか、集中できない。

寝不足。最近、朝の五時に、ニャンコに起こされる。それに、急に暑くなった。多少の変化に、適応できないでいる。





2007.5.16(水)晴れ。午後から曇りだす。入間川歩行、番外、荒川右岸。鴻巣市滝馬室のポピー畑。八時半から十一時半。

いつものルートで、太郎右衛門橋に出る。河川敷耕作地に下り、麦畑を縦断。途中から、市野川の霞堤に上る。土手の除草が終り、こざっぱりした。三百六十度、ぐるっと見渡せる。じつに気持ちがいい。

移動。まっすぐ、左岸のポピー畑へ向かった。御成橋の下に車を止め、周辺を探索。

花そのものに、興味があるわけではない。いってみれば、花のある風景が好きなのだ。橋を取り込み、何とか撮れないものなのか。かなり粘る。





2007.5.18(土)晴れのち曇り。入間川歩行、番外、荒川右岸。左岸、高尾橋から太郎右衛門橋まで。九時半から十一時半。

太郎右衛門橋から河川敷へ入る。市野川の霞堤で小休止。ひろびろしていて、気持ちがいい。

移動。荒井橋の下をくぐり、集落のなかを走る。共同墓地の横から、土手に上がり、そのまま高尾橋を渡る。気になっているのは、左岸の、川シモ。車でどこまで入り込めるのか、探索。

このあたり、左岸に、土手はない。そのかわり、台地がせり出している。いわば、自然に出来た土手といってもいい。そこに集落があり、河川敷耕作地へは、崖を下りていく形になる。

台地と耕作地の境に、細いながら、舗装路がある。とにもかくにも、行けるところまで行く。荒井橋付近からは、崖を上ったり下りしながら、一般道を走る。自然観察公園などもある。さらに行く。石戸宿、川田谷の表示が目に付くようになる。

石戸宿の道沿いに、芭蕉の句碑があった。

原中や 物にもつかず 啼雲雀

光景が目に浮かぶ。そればかりではない。じつに精神性が高い。いい句とおもう。

あっという間に雲がかかってきた。これといった風景にも、めぐり合えなかった。とはいえ、気持ちが軽い。「原中や 物にもつかず 啼雲雀」。何回か、頭の中で繰り返した。

手本とする風景写真の根本を、芭蕉の俳句に直感した。さすがだな。





2007.5.20(日)晴れ。風が強い。入間川歩行、番外、荒川右岸。太郎右衛門橋、橋上。九時から十一時半。

まっすぐ太郎右衛門橋へ向かう。橋を渡り、川原へ回り込む。総合グランドの駐車場に車を止め、橋の上に上がる。

北西の強風。けっこう寒い。ウィンドブレーカーのフードを被り、歩行者専用橋を歩く。明かりの具合からして、川カミしか撮れない。もっとも、それで十分。いい眺めだ。正面の山は、榛名山か?帰ったら調べてみよう。

一時間以上、粘った。からだが冷え切ってしまった。いったん車に戻り、休憩。

橋の向こう側にある、時代がかった水位監視塔が気になる。入間川のものと、ほぼ同型。見にいこう。





2007.5.21(月)晴れ。風が、少し冷たい。入間川歩行、番外、荒川右岸。左岸、川田谷、石戸宿の河川敷。九時半から十二時。

太郎右衛門橋を渡る。回り込んで橋の下、グランド沿いの道を、行き止まりまで行く。車を止め、付近を歩く。対岸、彼方に富士山が見えた。

移動。一般道に出る。川田谷原の信号を左折。民家の間をうねうね走り、河川敷耕作地へ下りる。田植えが始まっている。自転車道沿いに、川カミ方向へ、すこし歩く。麦が、だいぶ茶色い。初夏、さわやかだ。





2007.5.23(水)晴れ。夏日。暑い。入間川歩行、番外、荒川右岸。太郎右衛門橋。九時から十一時。

右岸の橋際に車を止め、歩行者専用橋を歩く。先日撮り損ねた風景を、200ミリでねらってみた。

過焦点距離は、何メートルだったか?正確なことが、なかなか思い出せない。どう考えても、二百メートルはないはずだ。青い麦畑の中ほどに、焦点を合わせた。

望遠にすると、どうしても、画面がもあっとする。これは、カメラの構造上の問題だ。それがイヤなら、デジタル一眼を買うしかない。ただし、ファインダーでモニタリングができない。撮ったあとに、老眼鏡をかけ、いちいち確認しなければならない。

きれいに撮れないと、すぐに、カメラのせいにする。いいカメラなら、いい写真が撮れる。まだ、そんなことを言っている。F5で懲りたはずだ。けっきょく、使いこなせずに、押入れで眠っている。

雑念ばかりだ。写真に集中できない。時計を見たら、十時を回っている。小一時間たっていた。

移動。麦畑を縦断。霞堤の上で小休止。いい眺めだ。車の窓を開け放し、しばし物思いにふける。これでいいような気もするし、なにか、物足らないような気もする。





2007.5.25(木)晴れ。暑いが、さわやか。入間川歩行、番外、荒川右岸。左岸、荒井橋から遡上。九時半から十二時。

いつものように、太郎右衛門橋から河川敷耕作地へ入る。麦畑を縦断、荒井橋に出る。橋を渡り、回り込んで川原へ下りる。舗装路を右折。川カミのポピー畑まで、ゆっくり流す。

案内板に、関東最大級のポピー畑、とあった。模擬店もあり、地元の物産なども売っている。暑いので、ソフトクリームを買った。すこしだけ、観光気分だ。





2007.5.27(日)晴れ。真夏日、暑い。入間川歩行、番外、荒川右岸。原馬室、滝馬室の河川敷耕作地。九時半から十一時半。

荒井橋から、土手道を遡上。きれいに除草されている。高尾橋の少し手前、中腹に石仏を発見。草に隠れていたわけだ。

逆V字をきって、川原へ下りる。馬室橋へ向かう舗装路。右手に、小ぶりな霞堤がある。車で上がるのは無理。回り込んで、徒歩で上がる。

広大な河川敷耕作地。ぐるっと見回せる。ただし、西側に細長い木立がある。下は、元荒川。用水として利用されているようだ。

田植えの終わった田んぼ、収穫前の麦畑。その間を、舗装された農道が、縦横に走っている。風景を探しながら、ゆっくり流す。





2007.5.28(月)晴れ。さわやか。入間川歩行、番外、荒川右岸。原馬室、滝馬室の河川敷耕作地。九時半から十一時半。

いつものルート。太郎右衛門橋から入って、麦畑を縦断。市野川の霞堤で小休止。西側の景色を撮る。

移動。荒井橋へ出て、土手道を遡上。高尾橋際から回りこんで、耕作地の中の舗装路を流す。空の様子がいい。青空に浮雲。気持ちが優しくなる。





2007.5.31(木)晴れ。夕方に雷雨。入間川一番、上江橋。九時半から十二時半。

入間川に戻る。

芳野台の工場団地を抜け、入間大橋へ行く。橋際に車を止め、橋の上を歩く。何回歩いても、写真が撮れない。景色が、あまりにも茫漠としている。

開平橋も歩いた。下は荒川。立ち止まり、左岸川シモを、目で追った。土手の向こうに、清掃工場の煙突が見える。手前は、雑然とした河川敷耕作地。そのうち流してみよう。

けっきょく、写真は一枚も撮れずに、もと来た道を戻った。横を、車がひっきりなしに通る。イライラする。

移動。橋の下に回りこみ、荒地の中の川原道から、土手下の舗装路に出る。本来は、通行禁止。しかし、先ほど車が通っていた。行き止まりまで行く。水門の前。なじみ電波塔を、土手越しに撮る。

帰り道。菅間の農地を横切る。雲の様子がいい。畦道に車を入れ、撮り出す。





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