此岸からの風景
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 Photo essay<入間川写真紀行>

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2007.11.24(土)晴れ。入間川五番、平塚橋。九時半から十一時半。

小春日和。雲ひとつない青空。とはいえ、天地の間が、なんとなく白っぽい。秩父の山並みも、かすんでいる。風のない穏やかな日は、汚れた空気が下に溜まる。いわゆる、スモッグだ。テレビで、天気予報士が解説していた。

空を見上げた。なるほど、上に行け行くほどほど、青い。

平塚橋を渡り、右岸の土手に入る。落合橋まで、砂利道をゆっくり流す。釘無橋へと抜ける川原道に、真新しい車止め。ここも、とうとう進入禁止。静かな場所が、もっと静かになる。

立ち枯れた雑草の中から、小鳥達のさえずりが、聞こえる。騒々しいほどだ。人間の気配が、まったくない。心が安らぐ。





2007.11.23(金)冬晴れ。寒い。入間川六番、雁見橋。九時半から十一時半。

雁見橋を渡り、右岸土手へ入る。そのまま走り、用水堰付近に車を止める。土手に立ち、西側の景色を撮る。

手前に、堰。土手があり、その向こうに、白いスレートのシャーペン工場。屋根の上には、赤白の鉄塔が見える。青い空に、外秩父の山並みが、手に取るようだ。

好きな景色だから、来るたびに撮っている。昨日も撮ったが、気に入らない。工場の水平が取れない。撮り直しだ。

ところが、今日も駄目だ。いくら撮っても、工場が右上がり。無理になおせば、今度は、鉄塔が、かしいでしまう。ここしかない、というロケーションが、間違っているのかもしれない。なんだか、やる気がなくなった。

今年は、冬が来るのが早い。秩父颪が、身体にこたえる。土手を、自転車道側に、斜めに下りた。風が、頭の上を通り過ぎている。ここだけ、小春日和だ。

ぐるっと辺りを見回した。神社があり、電波塔がある。気まぐれに、一枚だけ撮った。





2007.11.20(火)冬晴れ。入間川七番、川越橋。十時から十二時。

川越橋際から、左岸土手に入る。西側の景色を見ながら、ゆっくり走る。雁見橋際を突っ切り、鯨井の農地へ下りる。武甲山、笠山、なじみの山々を望遠側で撮る。かなりの遠目。400ミリVRをもってくればよかった。

川越橋の左岸下へ行きたいのだが、土手下の入口に、車止めのチェーンがかけられている。不法駐車を締め出す対策らしい。となると、川原への出入りは、ひとつしかない。ぐるっと回り込んで、シャーペン工場の前から、土手を斜めに下りる。

運動場の脇に、見慣れない立て札がある。警告!ゴルフ厳禁。大学のグランド脇にも何本か立っていた。河川敷でのゴルフ練習は、はた迷惑。行政に苦情が入ったのだろう。

川原道を、さらに遡上。川越橋が見えてくる。護岸に車を止め、周りを見回す。青い川に、鉄塔がゆらゆらしている。ほかには、なにもない。





2007.11.15(木)はれ。小春日和。入間川七番、川越橋。九時半から十一時半。

川越橋を渡り、東側の農地へ行く。ポンプ小屋などを見てまわる。

土手の上に、東屋、その向こうには鉄塔群。何回も撮っている景色だが、今日は、どうにも気が進まない。

肉眼では、さほど気にならないが、ファインダーをのぞくと、鉄塔がかしいでいる。なんとも、頼りない。それに、レンズの特性もある。周辺部は、どうしてもゆがんでしまう。

撮るべきものは、中心に寄せる。鉄塔などの背の高い物体は、隅から排除する。不自然さに、かなり神経質になっている。





2007.11.13(火)晴れ。入間川七番、川越橋。十時から十一時半。

川越橋を渡り、橋際の土手に車を止める。右岸土手を、遡上。風が冷たい。すぐに車に戻る。上下とも、一枚着込んで、出直し。

富士山が、真っ白。ただし、逆光なので撮れない。ポイントは、西側の景色。外秩父の山並みが、紺碧の屏風。立ち位置を探りながら、何枚も撮る。

どうにも、難しい。土手の水平が確保できない。いくら撮っても、駄目。いささか、根負けする。それに、明かりが、やや斜光気味。空の色が、すこしおかしい。

歩き出す。いちおうは、順路だ。東上線鉄橋まで行く。土手から下りて、もどり道は、河原の中を歩く。浅瀬に、コサギ、カモ、カワウ。すこし近づくと、カワウが、ばっと飛び立つ。いやなヤツだ!

水はきれいだが、川シモの景色に魅力がない。川越橋も、その向こうの鉄塔も、みな、かしいでいる。ロケーションが悪るすぎる。写真は一枚も撮らないで、自転車道に上がる。

日差しが強いせいか、背中が汗ばんでいる。いい天気なのに、写真が撮れない。なんとなく、釈然としない。未練がましく、今一度、西側の景色にカメラを向けた。





2007.11.12(月)久しぶりに晴れた。入間川八番、初雁橋。十時から十二時半。

的場浄水場の裏に、車を止める。初雁橋を渡り、左岸の土手に入る。水深柱、鉄橋、橋脚などを撮る。

風が冷たい。ウインドブレーカーを着て歩く。しかし、途中で、暑くなる。護岸で、着替え。カメラを持ったオジさんに話しかけられる。少し立ち話。

川越橋際から、西側の景色を、ペンタの6・4で撮っている。デジカメのモニターを見せてくれた。きれいな夕日だ。継続的に撮っているそうだ。別れ際に、またお会いしましょう、と声をかけられた。嫌な感じはしなかった。

護岸沿いに歩き出した。青い川に、東上線鉄橋が映っている。水鏡。静かな景色だ。かなり粘った。





2007.11.8(木)晴れ。寒くも暑くもない。ちょうどいい陽気。入間川九番、関越橋。十時から十一時半。

初雁橋を渡り、水上公園通りに出る。少し広くなった路肩に車を止め、通りの北側、小室の農地を歩く。

住宅の屋根越しに鉄塔。しかし、いかんせん、遠目すぎる。それに、水平が確保できない。いい天気なのだが、撮るべき景色が見つからない。

大きく息を吸った。澄み切った秋空に、変幻自在の雲。こんな日に、一枚もモノに出来ないのか。ほんとうは、情けないのだが、妙にあっけらかんとしていた。

携帯の歩数計を見た。約、四千歩。けっこう歩いた。すこし、腹が減ったような気がした。自由といえば、自由だ。





2007.11.4(日)晴れのち曇り。入間川九番、関越橋。九時半から十一時。

関越道沿い、豊田新田の農地。車を側道脇に止め、歩き出す。初めての場所。アキノノゲシが、目に付く。それに、こんもりとした雑木林が、農地のど真ん中にある。なにか、謂れがあるのだろう。神様を祭っているのかもしれない。周りを歩きながら、写真を撮る。

雑木林に近づき、中をのぞいた。社も石碑もない。荒れた感じ。足を踏み入れる気になれない。散歩道に戻り、あたりを見回した。ほかに、目に付くものはない。秋の雲が、ゆっくり、姿を変えているだけだ。引き上げよう。





2007.11.1(木)晴れのち曇り。入間川九番、関越橋。九時半から十一時。

関越道の側道沿いの農地。場所は、豊田本、池辺地区。農地に人の姿はない。柿の木が、目に付く。

子供の頃、ガキ大将に連れられて、柿泥棒をしたことがある。人家の庭先に入り込み、枝から、大きな柿をもぎりとる。すぐに、かじりついたが、渋柿だ。口がひん曲がった。周りを見回すと、ほかの奴らも、ぺっぺっと吐き出している。渋柿を地面にたたきつけ、みなして、げらげら笑った。

このあたりに、柿泥棒はいないようだ。たわわに実った柿は、このまま朽ち果ててしまうのか。今日は、カラスの姿さえ見えない。





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