2007.2.1(木)晴れ一時曇り。入間川歩行、番外、小畔川。大谷川新水門、および、川越墓苑裏手。九時半から十一時半。 寄り道。入間川左岸、平塚付近で、西側の景色を撮る。
つぎは、鎌取橋。もう一度、あたりを歩く。移動。土手を下り、福祉施設の横を抜け、新水門の前に出る。何枚か撮るが、何か足らない。 さらに、大谷川沿いに行く。施設の裏手に車を止め、歩き出す。まずは、V字護岸の大谷川。底が見える。おもったよりきれい。とはいえ、生き物の姿はない。 対岸が、どうっとひらけている。開けすぎて、写真にならない。ポイントは、ふたつ。ひとつ目は、二棟の飼料倉庫。よくよく見ると、これは、画面の水平が取れない。あっさり諦める。もうひとつは、大きな三本の雑木。うち、二本が、剪定の憂き目にあっていた。
2007.2.2(金)晴れ。風が冷たい。入間川歩行、番外、越辺川。大谷川水門から道場橋。右岸を遡上。十時から十二時。 寄り道。平塚の土手から、西側の景色を、また撮る。風が冷たい。久しぶりに、ダウンジャケットを着る。 移動。落合橋に出て、越辺川右岸に入る。西側の山並みがいい。手前に、赤白の鉄塔群。何枚か撮るが、遠すぎる。 土手を少し移動。水門脇に車を止める。護岸工事には目もくれない。見飽きたのだろう。水門の、真新しいコンクリに目がいく。真横から撮る。
移動。土手下の川原へ下りる。釣り場になっている。車から下り、水際をぶらぶら歩く。国土省の、河川パトロールカーが来る。鮮やかなオレンジ色のツートン。新車のようだ。やり過ごし、少したって、後ろを振り返る。デコボコの川原道を行き、耕作地の脇を抜けていった。なるほど、通り抜けられるわけだ。 車に戻り、パトロールカーの通ったあとを、ゆっくり走る。はじめての景色。竹藪や雑木林が多い。ただし、ゴミだらけ。荒れている。すぐに、土手にぶつかる。土手下の道を、さらに行く。前方に道場橋。橋の下に回りこみ、車を止める。 浮雲が、ぽかり。北側の空が、真っ青。今日はここまで。
2007.2.3(土)晴れ。入間川歩行、番外、越辺川。落合橋から道場橋。左岸を遡上。および、紺屋付近の農地。九時半から十二時。 雁見橋西詰から土手に入り、一気に落合橋まで走る。橋を渡り、越辺川左岸に入る。土手をゆっくり流す。途中で、土手下の道に下りる。水際は、釣り場。のぞきにいく。たいしたことはない。写真を撮るまでもない。 また、土手に上がる。道場橋の手前、川が大きく蛇行している。青くてきれい。何枚か撮るが、絵にならない。橋の下の河川敷運動場では、少年野球。行くのが億劫になる。 道場橋を渡る。少し行って、広い農道を左折。引き上げるには、早すぎる。それに、まともな写真が一枚もない。脇に入る。だだっ広い農地の真ん中。電柱が並んでいる。突き当たりは土手。 撮りながら想った。どうもよくない。心が動かない。構図をなぞっているだけだ。案の定、写真は、全滅。それに、頭がぼうっとする。写真紀行も書く気になれない。風邪を引いたのかもしれない。
2007.2.4(日)晴れ。風が冷たい。入間川歩行、番外、越辺川。右岸、横沼付近。九時から十二時。 回り道。大谷川の水門を見て、道場橋際から、川原へ入る。竹薮と雑木。所々に、河川敷耕作地もある。麦を植えたと見え、畑が青い。車で、行けるところまで行く。
グリーンシートの掘っ立て小屋が、視界の左端にある。竹薮の中だ。あんなところにも居る。越辺川のホームレスだ。姿は見えない。気にしない、気にしない。外に出る。枯野へ踏み込み、水際まで行く。これといった景色はない。すぐに戻る。 移動。土手を越える。だだっ広い農地。鉄塔に建設中の橋脚。どうしても、鉄塔の垂直が取れない。何回も撮り損ねている景色だ。農道に車を止める。慎重に撮り出す。
2007.2.5(月)晴れ。暖かい。歩行、番外入間川、越辺川。右岸流域、小沼付近。九時半から十二時。 土手下の道。渇水した用水路の脇に、石仏があった。なぜ、こんな処に、とはおもわない。河川改修か築堤工事かで、強制移動の憂き目にあった。本来は、もっと水際にあったものだろう。 その昔、おっぺがわ(越辺川)は、あばれ川で、手に負えなかった。度重なる洪水で、命を落とした人も数知れない。そのたびに、川原に、供養の石碑が建てられた。 近年の改修工事の際、地元の篤信家の尽力で、一体だけが、かろうじて、残された。おそらくは、そうにちがいない。
農地を横断するコンクリの橋脚。これは、圏央道。いまは、川原の橋梁下部工事をやっている。川に、高速道路を架けるわけだから、素人が見ても、これが一番手間がかかる。だから、その前に、農地のほうを先に終わらせた。それにしても、去年の今頃には、いまの形が出来上がっていた。打ち捨てられた感じになっていたが、今年中には、橋梁が架かるだろう。そうなれば、このあたりの景色も一変する。見納めだ。
2007.2.8(木)晴れ。春の陽気。暖かい。入間川歩行、番外、越辺川。右岸、八幡橋付近。十時から十二時。 左目不調。仕方ない、という感じで車を走らせる。川越墓園の脇を通り抜け、農道を一直線。県道を横切り、脇に入る。突き当たりは、土手の下の道。きのう撮った石仏の前で、車から下りる。もう一度、ロケーションを確認する。駄目だ、集中できない。 移動。八幡橋へ行く。カミシモ、水際の悪路を、いけるところまで行く。ともに、すぐに行き止まり。釣り場になっている。すぐに戻る。対岸へ渡り、橋を撮りたいところだが、護岸に、オヤジが何人もいる。知り合いらしく、何か話し込んでいる。行くのが億劫になる。 左目が気になる。写真が撮れないほどではない。だが、気分が低調。やる気が出ない。引き上げよう。
2007.2.9(金)晴れ。空の色が、ヘン。遠くがかすんでいる。入間川歩行、番外、越辺川。左岸、道場橋から八幡橋。九時半から十二時。 道場橋を渡り、左岸の土手に入る。河川敷耕作地が青い。畑に麦が植えられている。正面には、赤白の鉄塔。建設中の高速道路が、民家の屋根越しに見える。車をハジへ寄せ、慎重に撮り出す。撮り損ねは、許されない。 移動。八幡橋際の護岸へ行く。今日は、誰もいない。ゆっくりと、木橋を眺める。川面に、白い煙突が映っている。写真に取り込みたいところだが、ちと遠すぎる。 橋を、ぶらぶら渡りだす。真ん中で立ち止まる。橋に平行して、支え木が、何本かある。じっと見る。いまある橋のじゃない。増水時、橋だけが流され、支え木は残った。おそらくは、新しい橋を架ける際、撤去されずに放置されたのだろう。 いや、ほかに、ちゃんとした理由があるのかもしれない。たとえば、大きな流木をブロックする。激しい水流を緩和する。そのために、わざと残した。たんなる手抜きとは思えない。いいや、撮った写真を見る限り、斜めの支え木は、水中の土台を補強しているようにも見える。冠水橋とは、かような構造なのかもしれない。
2007.2.11(日)晴れ。風が冷たい。入間川歩行、番外、越辺川。左岸、上井草付近。九時半から十一時半。 道場橋際から、土手に入る。左岸を遡上。少し行って、河川敷耕作地へ下りる。畑の周りを歩きながら撮る。 天気もいいし、ロケーションも最高。それなのに、心が動かない。どこか、うわの空。ナイキの、防寒ウォームアップが半額!ただし、白。まだあるかな?雑念。駄目だ、引き上げよう。
2007.2.12(月)晴れ。暖かい。入間川歩行、番外、越辺川。左岸、上井草付近。九時半から十二時。 道場橋際から、土手に入る。今日もまた、河川敷耕作地に下りる。土手下の道から、鉄塔を撮る。
移動。八幡橋へ行く。斜めの支え木のことが、気になっている。確かめる。全部で八本ある。そのうち、半数は崩れている。気まぐれに、形のあるものを、手や足でゆすってみた。みな、ぐらぐらしている。これは、どう考えても、補強材ではない。放置された。そう考えるのが妥当だ。 移動。広い土手道を遡上。人や車が多い。休日の、白鳥見物だ。横目で眺めながら通り過ぎる。そのまま、天神橋まで流す。橋を渡り、今度は、右岸の土手を、戻る形で走る。 飯盛川の新水門の辺り。水際に、三脚が何本か、たっている。白鳥をねらっている。ひやかしに、おりていった。そうっと、後ろから近づき、装備などを見た。ジッツオの三脚、高価な望遠レンズ。アマチュアのおじさんたちだ。白鳥の写真展があるようで、それに出品するのかもしれない。 写真を撮り始めたころ、近所の写真クラブに顔を出した。場違いな感じで、とけこめなかった。年齢的な違いもあったが、それだけじゃない。趣味が、ちがいすぎた。 鳥は、写真の被写体の中でも、特殊なものだ。というのも、普通のカメラじゃ撮れない。まずは、高価な機材が必要。それに、高度なテクニック。三つ目は、ねばりと根性。もっとも、「ねばりと根性」は、何をやっても必要なことだ。 鳥は撮れない。諦めている。機材、テクニック、根性。なにひとつ、もちあわせていない。だから、人の撮った写真を眺めているだけ。そのうち、気が向いたら、役場の写真展でも見に行こう。白鳥を、どう撮るのか?白鳥の、何を撮るのか?少しだけ、気になる。
2007.2.13(火)晴れ。暖かい。入間川歩行、番外、越辺川。小沼から天神橋。右岸を遡上。あとは、飯盛川水門付近。九時半から十二時時半。 小沼の石仏脇から、土手に上がる。水門横に車を止め、清掃センターを撮る。ベストポジションが、なかなか見つからない。
去年は、土手下の波消しブロックを手前に入れて撮った。写真紀行にアップした覚えがある。しかし、今回は、どうにもよくない。白い煙突と鉄塔の垂直が取れない。戻ったら、確認してみよう。 移動。土手下の道におりた。これといった景色はない。途中に、ラジコンポートがあるだけ。看板があり、有料と書いてある。それに、休日と木曜日以外は、閉鎖。首をかしげながら、通り過ぎる。天神橋の手前で、また土手に上がる。 同じ道を戻ってもしょうがない。流域の農地へおりる。民家がまばら。うねうね走り、清掃センターに沿っていくと、飯盛川に出る。橋際に車を止め、あたりを歩く。 ヘンな色の水深計は、健在。対岸の産廃の山も、あいかわらず。新水門の辺りでは、カワウが二羽、日向ぼっこ。そおっと近づいていく。
川には、柵があり、カワウは、川の真ん中ヘンにいる。とはいえ、かなりの至近距離。人間をなめているのか、なかなか逃げない。同じ辺りにいたカラスは、とっくに、飛び去っている。対岸の荒地の真ん中、堆肥場のフェンスに止まって、さかんに鳴いている。うるさいやつだ。 水門が、青い川面に映っている。かなり粘ったが、構図が作れない。そおっと、戻った。その間、カラスは、鳴きっぱなし。耳をすませた。怯えているようでもあり、憤慨しているようでもある。それにしても、これほど長く、鳴き続けているのは、めずらしい。 自然界で、黒は、獣色として警戒されている。だから、アウトドアに、黒っぽい衣服は禁忌。蜂などが、熊と間違え、襲ってくる可能性がある。そんなことには、お構いなしに、いつも、全身黒づくめで歩いている。いわば、カラスのようなものだ。それが、今日に限って、白の上下を着ている。なんだか、白鳥にでもなったような気分だ。裏切り者!それで、カラスが腹を立てているのかもしれない。
2007.2.15(木)晴れ。強い西風。凍えるほどではない。入間川歩行、番外、越辺川支流飯盛川。荻野2号橋付近。十時から十二時。 まっすぐ、越辺川の右岸土手へ行く。飯盛川との合流点、新水門の横。気になっているのは、清掃センターの煙突と鉄塔。 位置取りを探した。ところが、どうしても見つからない。今一度、目を細め、煙突と鉄塔を眺めた。やはり、物理的に無理だろう。このあたりから、垂直は取れない。 あっさり諦めた。バスケットと同じで、写真も位置取りで、勝負が決まる。移動。土手の上で回転、もときた道を戻った。土手を斜めに下り、今度は、飯盛川の土手に上がった。 車を、少し脇へ寄せ、外に出た。西風が強い。吹き飛ばされそうだ。それでも、川シモへ向かって、ぶらぶら歩き出した。目の前が、どうっと開けている。だだっ広い農地。多少寒いが、気分はいい。
2007.2.16(金)晴れ。風が冷たい。入間川歩行、番外、越辺川支流飯盛川。荻野2号橋から氷川橋までの両岸。十時から十二時。 まっすぐ、荻野2号橋まで走る。橋を渡り、カントリーエレベーターや石仏などを見て回る。その後は、飯盛川の左岸を遡上。低めの土手道を、うねうね行く。どういうわけか、川の水が、ウンコ色。生き物がいる感じがしない。 県道に突き当たる。氷川橋際に車を止め、外へ出る。川カミで、工事をやっている。看板。河川の拡幅工事、とある。なるほどね。それで、水が濁っているわけか。 回転。戻る形で、今度は、右岸を行く。コンクリの立派な橋が、何本も架かっている。すぐに、合流点。分流にそって、こげ茶の柵が並んでいる。なんだろう。車を回す。 すみよし桜の里。遊歩道になっていた。道沿いには、ひょろひょろした坊主の桜並木。車から身を乗り出し、枝先をじっと見た。小さなつぼみが、たくさんついている。春が近い。花が咲いたら、また来てみよう。
2007.2.17(土)晴れのち曇り。入間川歩行、番外、越辺川。右岸、飯盛川水門付近。十時から十一時半。 小沼の石仏から、土手に上がる。そのまま斜めに下って、土手下の道を遡上。右手の雑木林を見ながら、ゆっくり流す。干上がった沼には、見かけない鳥がいる。コサギに似ているが、首から下が灰色。距離があるので、逃げない。ドジョウでもねらっているのだろうか。 水門に突き当たる。水際に沿って、まだ川原道がある。このまま、車で行ってもいい。だが、白鳥を撮っている人がいる。遠慮しよう。車から降り、歩く。 対岸には、三脚がたくさん並んでいる。アマチュアカメラマンが、群がっているような感じ。白鳥を、半逆光で撮っている。こちらからは、順光。とはいえ、遠すぎる。1000ミリ以上の望遠でないと撮れない。 後を通り過ぎた。チラッと目があった。すぐに顔をそむけ、会釈もしない。風采の上がらない中年男。だが、レンズと三脚は、相当なものだ。100万以上はする。 白鳥も、これで見納めだ。遠目に何枚か撮って、すぐに戻った。土手に上がり、再再度、清掃センターの白い煙突をねらった。中腹に、斜めに立ち、去年撮った構図を再現した。ここしかない、という位置取りで、慎重にシャッターを押した。しかし、こんなときに限って、雲がかかってくる。なんだか、やる気がなくなった。 このまま帰るのも癪だから、順路に従い、土手下の道を、天神橋まで遡上した。橋の下が、少し広くなっている。車を止め、外に出た。日差しが弱い。空を見回した。青空がほとんどない。写真は駄目だ。 水際に、背の高い雑木が何本かあった。そのあたりから、鳥の鳴き声が聞こえる。見ると、枯枝に、雀よりひと回り大きい、茶色い鳥がとまっている。どこかで聞いたことのあるような鳴き声だ。そうおもっていると、急に飛び立った。一羽、追いかけるように、もう一羽。ぴいぴい鳴きながら、空中でじゃれあっている。恋の季節だな。 引き上げよう。車に戻りかけた。頭上で、ピーヒョロヒョロ。振り向く。手をかざし、逆光の空を見上げた。鳶だ。すぐそばに、ふた回りくらい小さい、黒い鳥がいる。カラスかな?そいつが、トンビにちょっかいを出している。はたして、カラスが、自分より大きな鳥を攻撃するものなのか。 少しの間、空を見上げていた。鳶は、悠々と輪を描きながら飛んでいる。カラスとおぼしき鳥は、何度も、急降下を繰り返し、トンビを突っつきに来る。しかし、カラスにしては、鳴き方がヘンだ。さらには、空の高みに、もう一羽、鳶がいる。ゴマ粒のようだが、まちがいない。 カラスじゃなくて、巣立ちしたばかりの鳶のヒナが、親鳥にじゃれ付いているのかもしれない。まあ、いい。生き物達が、春の気配を察し、動きだしている。写真は駄目だったが、鳥の鳴き声をたくさん聞いた。それだけで、十分だ。
2007.2.21(水)晴れ。暖かい。春の陽気。入間川歩行、番外、越辺川。右岸、天神橋付近。十時から十二時。 寄り道。飯盛川、荻野2号橋付近に車を止める。カントリーエレベーターなどを撮る。移動。赤尾の農地を流す。ところどころに、ゴミの山。建築資材などの不法投棄。わずかな金のために、犯罪を犯している。信じられないことだ。 歩行に出るたびに、人間の悪行を、イヤというほど見せつけられる。もう、腹も立たない。 清掃工場の裏手、土手の上がり口に大きな碑がある。気まぐれだ。車から降り、見に行った。正面に、「ぼんやりと日暮れの土手に牛立てる」、とある。裏に回った。跋文があり、詩が刻まれている。 郷土を水害から守ろう ふるさとの詩 三、春蚕四令をすぎれば給桑忙し 飯盛川にほど近き 葦の茂みに葭切り啼いて 桑の実赤く熟れ茱茰色づきぬ日長一日黄昏れて 土手に繁れし放牧の牛主を待つ 「ぼんやりと日暮れの土手に牛立てる」 目で、斜め読みした。読めない漢字や、意味のわからない言葉がある。迷うことなく、至近距離で、写真に撮った。帰ってから、ゆっくり解読しよう。 長文の詩には、往年の、農村風景が歌われていた。碑を建立した人々の想いが伝わってきた。昔の生活や風習、景色を懐かしんでいる。自然とともに生きた時間を、いとおしんでいる。 顔を上げた。碑の正面に、清掃センターの白い煙突が聳え立っていた。景色が一変している。悲嘆の声が聞こえる。
2007.2.22(木)晴れ。入間川歩行、番外、越辺川。天神橋から合流点まで、右岸を遡上。十時から十二時。 水際の水深計や黄緑の給水橋を撮る。集中したにもかかわらず、すべて撮りそこね。気に入った写真がない。がっかり。 2007.2.24(土)晴れ。強風。入間川歩行、番外、越辺川。右岸、赤尾落合橋付近。十時から十二時。 荻野2号橋まで、一気に走る。橋を渡り、清掃センター裏手から土手に上がる。そのまま、遡上。県道を突っ切り、黄緑の給水橋の前で止まる。何枚か撮るが、どうしても構図が見つからない。しかも、猛烈な風。吹き飛ばされそうだ。あっさり諦め、土手下におりる。橋脚のフェンスに表示板。越辺川水管橋。名前が判明。 移動。土手が大きく左カーブ。都幾川との合流点が見える。切り返しをして、土手下におりる。おりたところに、石仏がある。じっくり撮らしてもらった。側面に、「赤尾村 願主 山崎庄五郎 同 山崎亀治郎 ・・千治郎」。くっきり刻まれていた。 建立は、願主たちの名前からして、江戸の後期、ないしは明治の初め頃。おそらく、近年の河川工事の際に、現在の場所に移された。謂れや経緯があったのだろうが、知る由もない。それに、今日は、頭が働かない。想像することさえできない。 サングラスと帽子を外すべきだろうか。しゃがみこんで合掌する時に、躊躇した。寒いからと、横着な気持ちがあったからだ。まあ、いい。手を合わせ、目をつぶった。後から、誰かに見られているような気がした。 立ち上がり、川へと続く道を歩き出した。強風というよりは嵐。さすがに、誰もいない。木橋の前で立ち止まった。横に、表示板。スプレーで落書きされている。近寄ってみる。赤尾落合橋。なるほど、やはりちゃんとした名前がある。 向き直った。川カミ側に、斜めの支え木が、きれい並んでいる。やっぱり!冠水橋の構造なんだ。橋の真ん中を、ゆっくり歩き出した。強風にあおられ、万が一にも、バランスを崩したら大変だ。よく言えば慎重、悪く言えば臆病。いや、小心者だな。でも、落ちたら損失が多すぎる。カメラどころじゃない。命まで、川に流されるかもしれない。 川中を、覗き込んだ。深い緑色。冬場だというのに、水量が多い。水面が風にあおられ、水しぶきを上げている。背中がぞくっとした。落ちたら、冷たいぞ。
2007.2.25(日)晴れ。入間川歩行、番外、越辺川。左岸、中山用水堰と水管橋。十時から十二時。 道場橋際から入って、左岸の土手を遡上。天神橋のアンダーパスをくぐり抜け、橋の下へ回り込む。車から降り、水際まで行く。これといった景色はない。 移動。また土手に上がる。水管橋の下を通り抜け、堰の入り口で切り返す。護岸におり、手前に、水門などを入れて撮る。
今度は、土手下の道を、戻る形で進み、麦畑の横で止まる。振り返ると、目の前に水管橋のアーチがある。ちょっと迷うが、畑を横断する。耕作物を踏まないように、気をつける。 水際は、低い崖。葦藁や流木が堆積している。ためらいなく、踏み込む。足が、ずぼっとはまり込む。下に地面がない。少し慎重になる。足場を確認しながら、そろそろ行く。潅木の枝を掻き分け、水辺におりる。渇水で、中洲になっている。 水管橋が、川面に映っている。これさいわいと、写真を撮り出す。しかし、橋脚の垂直とアーチの水平が、なかなか取れない。川の真ん中に立っているのだから、位置取りはベストのはずだ。モニタリングを執拗なまでに繰り返した。これで駄目なら、水管橋の写真は、諦めるしかない。
2007.2.26(月)晴れ。入間川歩行、番外、越辺川。左岸、水管橋から長楽落合橋。十時から十二時。 道場橋から入って、左岸の土手を遡上。白鳥、水管橋などを見て、都幾川との分岐点まで行く。 赤尾落合橋と長楽落合橋。一間ほどのコンクリのたたきでつながっている。前者は越辺川、後者は都幾川の冠水橋。兄弟橋だ。なんとなく、ものめずらしい。風情がある。 写真にするには、どうすればいいのか。水辺におり、下からも眺めて見た。しかし、どうしても絵にならない。まあ、いい。頬に、冷たい風があたる。それが、心地よかった。
2007.2.27(火)晴れ。入間川歩行、番外、越辺川。右岸流域、赤尾、島田地区。十時から十二時。 いつものルート。川越墓園の横を抜け、小沼、横沼の農地を一直線。土手を上り下りして、荻野2号橋をわたる。あとは、飯盛川の左岸を遡上。
赤尾、島田地区の広大な農地。いくつかある、石仏や記念碑などを見てまわった。むかし撮った、お地蔵さんや野仏も健在だった。 初めて手にした一眼レフは、ニコンのF70D。石仏や山野草を、一枚一枚、慎重に撮った。しかし、まともな写真が、なかなか撮れない。理由のわからないまま、そのうち飽きてしまった。あれから、十年はたっている。
2007.2.28(水)晴れ。入間川歩行、番外、越辺川。右岸、島田橋付近。十時から十二時。 荻野2号橋を渡り、農道から清掃センターを、何枚か撮る。明かりがベストじゃない。帰りにまた寄ってみよう。
農地を突っ切り、土手に上がる。ちょうど、赤尾落合橋の少し先。そのまま、右岸土手を遡上。静かで、良い所だ。だが、写真に撮るような景色はない。 右手、眼下に木橋が見えてくる。切り返して、川原に下りる。橋の横に車を止め、外に出る。強風。話にならない。でも、手がかじかむほど冷たくはない。 真新しい木の看板。「風林火山 ロケ地 越辺川島田橋」。一瞬、何のことかわからなかった。あ~あ、NHKの大河ドラマだ。近寄って、よく見た。以前にも、何回かドラマのロケ地になっている。 納得した。形のいい木橋だ。とはいえ、今日は、明かりを逸した。構図としては、北西方向の山並みを背景に入れる。それが、やや逆光。地上の物体に露出を合わせると、空の青さが撮れない。 案の定、駄目だ。空がとんでいる。迷った末に、アップすることを断念。横着をしちゃあ~いけない。午前中一番で、また撮りに行こう。
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