荒川右岸へ行くつもりで、平塚橋を渡った。川原の様子が、ちらっと目に入った。ところどころ黄色に染まっている。気が変わる。予定変更。左岸土手に入る。 ゆっくり遡上しながら、景色を探す。福田の共同墓地辺りだ、土手下に下りる。雑草が生い茂っている。水際へ出る道を、目で探す。 左岸、平塚橋から落合橋までの土手下、家庭菜園のような河川敷耕作地が続いている。以前にくらべ、規模が縮小され、荒地になっている所もある。 その一画、教室ほどの広さ、キャベツがきれいに並んでいる。まわりを、モンシロチョウが飛び回っている。数が、かなり多い。無農薬で作っているのかもしれない。 穴だらけのキャベツの葉、よく見ると、青虫がいっぱいついている。生まれ育った板橋の前野町、肥溜めの臭いがする、キャベツ畑。汚らしい感じがしたものだ。 ところが、時代が変わり、環境も変わった。モンシロチョウは姿を消し、虫も食わない野菜を、人間が食べている。 キャベツ畑に、多数のモンシロチョウ。いまとなっては、懐かしい光景だ。
朝のうちはくもり。様子をみる。十時半、少し日差しが出てきた。散歩がてら、歩行に出る。 落合橋から、左岸土手を流す。菜の花が満開。釘無橋際に車を止め、付近を歩く。土手下の道は、完全に車両通行禁止。橋の下にも、雑草が生い茂っている。 移動。橋を渡り、回り込んで、右岸土手へ行く。とはいえ、釘無から入間大橋までは、これまた通行禁止。廃車工場の少し先、土手っ腹に車を止め、歩き出す。 川原のところどころに、菜の花が群生している。きれいだが、遠目すぎて、写真にはならない。越辺川との合流点まで行く。 向かい側に、清掃工場の煙突などが見える。何度も撮っている景色だが、今日は、まるで気持ちが動かない。構図が、平板すぎる。と、なにやら、ヘンな臭い。おもわず、息を止める。 光化学スモッグかな、いやちがう、煙突をチラッと見る。くすんだ空に、煙らしきものが、もやっとしている。ますます興ざめ。すぐに、並走する自転車道へ下りる。 今日は、ほかにも、不快なものに出っくわした。川原の菜の花を、なぎ倒しているオヤジ。鉄の棒を、あたりかまわず振り回している。リックを背負い、黒いヘンな帽子をかぶっていた。悪意のある態度が、なんだが空恐ろしい。
右岸、八幡橋際から土手道に入る。寄り道しながら、鎌取橋まで行く。 日差しが弱い、そのうえ、照ったり翳ったり。写真は駄目だが、散歩にはうってつけ。川原が、菜の花できれいだ。「春の小川」。
鳥羽井沼の横から河川敷に入る。麦が大きくなっている。穂をつけているものもある。霞堤を上り下りしながら、荒井橋際に出る。土手にのぼり、右岸を遡上。 右手は、ずうっと竹やぶ。隙間から川が見える。旧荒川、水が濁っている。左手は多少開けているが、これといった景色もない。ところが、突如、ガスタンクが出現。その向こうに、市街地が広がっている。 帰路、小畔川に寄る。川原に、菜の花やむらさき大根が咲き乱れている。四月、自分の誕生月と、一番好きな季節が重なっている。
梅ノ木貯水池へ行く。運動がてら、自転車道などをぶらぶら歩く。 先日来たときには、寒風に水面が逆立っていた。しかし、数ヶ月たち、景色が一変した。花曇りの、うす紫色の空。鉄塔が水鏡に映り、菜の花が周囲に咲き乱れている。二千年の春だ。四国遍路を思い出した。
鳥羽井沼の先、小見野付近から土手にあがる。そのまま、右岸を遡上。徒歩橋まで行くが、工事中。右折して、橋を渡り、左岸土手に入る。 写真を撮るために、急な土手を、再三上り下りする。息が切れ、胸が重い。調子がよくない。無理は禁物、早々に引き上げ。 ここのところ、気に入った写真がなかなか撮れないでいた。悩む、というほどでもないが、あれやこれや考えていた。「大風景」をねらいすぎている。自分は「小風景」でいい。きれいな風景写真を撮りたいわけではないのだ。だだっ広い農地を走りながら、ふと想った。心が、少し軽くなった。
2008.4.6(日)晴れ。あたたかい。入間川歩行、番外、荒川右岸。九時半から十二時半。 鳥羽井沼の横から、河川敷に入る。水防倉庫や改修碑などを撮り直す。 移動。霞堤を遡上。荒井橋際に出る。広めの右岸土手を、川カミへ向かって流す。斜面の菜の花が満開。
雁見橋際から右岸土手に入り、平塚橋を渡る。眼下、水際に、桜が二本咲いている。いったんはやり過ごす。が、気にかかり、回転。右岸川原へ下りる。 近づいてみると、運動場のヘリ、崖際に立っている。写真を撮るには、足場の悪いところへ踏み込む必要がある。おそるおそる、枯れ草の中に入る。ヘビなんか、いないだろうな。 移動。右岸土手を遡上。斜面の菜の花を見ながら、ゆっくり流す。川島の桜堤で、小休止。車を路肩に止め、花見。 人がほとんどいない。おりしも、少し冷たい風に、花びらが舞う。桜吹雪を仰ぎ見る。
落合橋を渡り、鳥羽井沼へ行く。土手を上り下りして、市野川流域を遡上。水門や改修碑などを撮る。 河川敷耕作地のところどころに、産廃の小山がある。そのひとつが、紫色に染まっている。近づいてみると、諸葛菜だった。大根の花とも言うが、斜面に群生している。自然の復元力をおもう。
落合橋を渡り、鳥羽井沼経由で、荒井橋際へ行くつもりだった。ところが、しだいに曇ってきた。 だだっ広い農地を突っ切る。遠目に、桜。沼の周囲だ。寄ってみるか。 駐車場に車を止め、あたりをぶらぶらする。桜を間近に見るのは、今年はじめて。しかし、さして感動がない。 車に戻る。目の前の土手をのぼる。と、斜面に小屋。水防倉庫だと思うが、なんとなく気になる。左側に桜を入れ、何枚か撮る。
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